+Black Blood.
「あいつ、1桁ナンバー巡査担当のロイ。
ホモだから。」
「・・・・・・・・・・・・・・大体は分かった。」
朝からキツイ物見たなあ、と無花果は思う。
そして、零を見た。
黒髪で少し肩まである襟足、長い前髪。
スッと伸びた鼻、黒目。
長い期間刑務所に入っているような雰囲気だ。
体さえ見なければ、少し女っぽいとも思う。
そんなに想像と違わなかった、と無花果は思った。
「無花果、」
「・・・・・・・・・・・・・・」
自分がもう‘‘無花果’’になってる事に少し不満を覚えた。
「食わねぇの?」
「食う。」
牢屋の中央に置かれているパックジュースと、パン。
そのジュースのみを手に取った。
「お前、そんだけ?」
「・・・・・・・・・ん。」
「無花果、立ってみろ。」
「あ?・・・・・仕方無ぇなあ」
差込口に、ストローを差し込みながら立ち上がる。