+Black Blood.
「・・・・どした」

「ねこ、」


見ると、頬には薄い引っ掻き傷。

腕には、暴れる耳の生えた生き物。

「あーーー!!待て猫!!」


するりと無花果の腕から逃げた黒い物体。



ガッシャァァーーン・・・

黒い物体を追う無花果がまた壁に飾られた鏡を落とす。


「・・・・・・・・・お前が待て無花果ぅう!!!」



獣二匹を追った律。




_____________
______
__
_





「捕まえたぁ!!な、律?!」

「捕まえたあ!・・・無花果を。」



侵入者・・・を捕獲した無花果と、無花果を捕獲した律はロビーを入って走って走って走った所の行き止まりの壁で終戦した。


「ホラ!侵入者!」

と、腕に抱いている金目の黒猫を突き出した。

「侵入者っつってもソレ猫だし。しかも後ろ見てみろ!物を破壊しすぎだ!」

「ハァアー?俺はただ言われた仕事をこなしただけだが?」

「隠密にな?!」


このままだと再び捕獲した猫が逃げ、より大惨事になる事を想定した律は、一旦零の部屋に向かった。



「おかえり」


部屋には、体を起こしている零。



「・・・・・・・暢気でいいよなお前は」

「零!侵入者捕まえたぜッ!!」

「オメデトー」


じたばたと、猫が暴れた様なので無花果は猫を零の膝に落とした。


「・・・・・・何で俺に乗っけた?」

「抱くの上手そうだろ」


ぐい、と黒猫を零に押し付ける。


< 142 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop