+Black Blood.


「何か明日には無理矢理働かせるそうだから俺寝る」

「寝ろ。あぁ・・・片づけが待ってる・・・仕事もあんのに」


溜め息を残し、律は部屋から出た。



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一方無花果は。


「ふかふかだなぁ黒猫は」


抱いた黒猫に頬擦りする無花果。に、応えるようにナ、と鳴く猫。


「何で飼っちゃ駄目なんだろな?」


ペタペタと、猫を追いかけていった拍子にどこかへ行った靴が無いまま靴下で歩いた。


「あ、何か向こう五月蝿い・・・行って見るか」


ストン、と黒猫を下ろし、正面玄関へ向かう無花果。


案の定、見たことの無い男が。

作業着を着てダンボール箱を持っている。
使用人と喋っているようだ。


「お前、何者」

殺意むんむんの警戒剥き出しの眼が向けられ、男が一瞬後ずさった。


「え・・・・・?」

「ちょ、無花果くん」


妖しい作業着の男に、いかにも殺しそうな勢いで喋りかけると、メイドが慌てた。


「この人はただの運送会社の人よ。布を持ってきてくれたの。殺しちゃ駄目よ?」

「殺・・・?!」


「・・・・・あぁそうか。悪かったな」



(何だ・・・ただの郵便者か)


ホッとする反面、拍子抜けした無花果だった。






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