+Black Blood.

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朝。


「無花果」

「・・・・・・・・・」



体を揺らされる感覚に起きる無花果。


「寝惚けんなって・・・・」

「・・・・・・・・なに」

「え、何って・・・・・・」

「まだ薄暗いだろ、寝る」

「え、無花果」



そして。



(かたい。黒い。かたい。)


「っ、・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」


「ちょ、ね?きつくて寝れないっつーか」


「起こせよ!起こせ!!!」



自分が抱いていたかたい物が、零だと認識すると勢い良くベッドから抜ける無花果。



「はぁ?って・・・・お前から抱きついてきたんだろ、ったく」

「!たまたまだ!」


勢い余って頭から落下しそうになる無花果の足首を掴んだ零。


ガツン。
「っ、だ!」


その衝撃で、ベッド脇にある小さな棚に頭をぶつける。


「鈍臭」

「ぎゃっ、」


ずるりと引きずる零。



「赤くなってる」

「・・・そんな痛くないし」


腫れてしまった額を覗き込む零、を、睨む無花果。


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