+Black Blood.
□ □ □
「零、何か降ってる」
「あ?雪か?道理で寒ぃ訳だ」
外は粉雪がちらつく昼。
無花果と零の二人は、たった今、都会の会社からの刺客―――勿論侵入者―――を確保した後だった。
「何で降るんだ?雪って。」
「・・・・・・・・・・寒いからじゃね?」
「へえ。」
正面玄関から外を覗く無花果。
「寒・・・・・・・・・」
ぶるりと身震いし、ふらふらと裏口に向かった。
「ちょ、俺あっちの方が温かいから移動してるわ」
「サボる気かよー」
「ちゃんと見張っとくって」
そして、窓が少ない人気も無い裏口に座り込む無花果。
(パンツ見えっぞチクショ)
体を縮込ませ、玄関の脇に立った零。
「ん、アレ」
無花果の様子を見ようと顔を上げた時。
(居ない・・・・・・・・?)
異変を感じ、裏口付近に向かう零。