+Black Blood.

白い頬には、紫の痣と血が滲む。



「ってぇ・・・・・・・」

「あれ、こないだの空羽はちょっと殴っただけで怯んだのに。肝が据わった?」

「仁叉が嫌いになっただけだ」



踏み付けられた手首を捻る。



「へぇ、そんじゃ空羽。」


カチャ、と腰のガーターベルトが外され、靴下の間に指を入れた仁叉。



「体は慣れた?」



するり、と落ちた靴下はベッドの端に捨てられる。


「ひっ、」


脚を舐められた感覚に身を捻る無花果。



「・・・・・・やっぱこれしかないよね。」



「痛っ・・・・・・・!!!!!」



少し乱れた服を、皮膚をも剥く勢いで剥がす仁叉。



カラ・・・・・・・



下着に入れていた小さな携帯ナイフが落ちる。


落ちたナイフを拾い、鞘を抜く。



「俺、銃よりナイフで戦う方が好きかな」

「おれ・・・わたしは、嫌だ。人が死ぬ感覚が手に残るから」

「そう?」


鈍く光った先端を、無花果の首元に当てる。


スッ・・・・・


軽く引いただけで、赤色が薄く映る。



「いっ・・・・・・!!」

「そう言う顔が、俺は好き。」



垂れた血を人差し指で拭い、無花果の頬を撫でる。



「・・・・・・空羽は紅が似合うね」




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