+Black Blood.
――バタン。
「で、無花果?涼は居なくなっちゃたね」
「っ・・・・・・、
結婚なんて有り得ないだろ?!、っあ」
仁叉が細い首を掴み上げた。
「ぐっ・・・・」
「学習しないなぁ。ね?」
小さい喉仏を親指で抉る様に絞めた。
「ゲホっ・・・・・・・」
苦痛に顔を歪めた無花果。
「・・かわいい」
歪む顔を見て、ゆったり嗤う仁叉を睨んだ。
「や、・・・・・・めて じんっ・・・・」
「結婚なんて、・・・・・・・何?」
「あ、りえな・・・・」
精一杯睨みを効かして仁叉の腕を掴む。
「有り得ない、れす・・・・・」
「れすが可愛かったから許すよ」
(・・・・・・・・・・・・)
ぱ、と手を開放した途端、無花果が咳き込み蹲る。
(痛い・・・)
未だ喉を絞める圧迫感に咳き込みながら、仁叉に向き合う。
「ッは・・・・。いきなりそんなこと言われても困る。」
「俺は結構前から思ってたし」
「嫌だ。それならもっと重罪を犯して収容所で一生を終えるほうがマシ!」
「馬鹿じゃないの、収容所から引き摺りだすのは簡単だよ」
「・・・・・あ」
そうだったと思い出し、他に解決策が無いか思考を張り巡らせる。