+Black Blood.
『・・・・・俺は、武器屋の涼。』
『武器屋・・・・』
ぐるりと周りを見渡す無花果。
ライフル、マシンガン、銃弾、手榴弾・・・・様々な違法武器だ。
『お前は?』
『・・・・軍狗、』
まぁ分かってるよと心で呟き、涼はもう抵抗しない無花果の腕を離す。
『・・・・怪我、見せて』
『何でだ』
『酷いから?』
『こんなのまだ少ない方じゃねえか』
やたら触られるのを拒む無花果の肩を掴んだ。
『いったッ!!!!ぁにすんだ!!』
『結局痛いんじゃねえかよ。膿んだら困るから、な?』
な?と言って置きながら無花果を捻じ伏せ服を脱がす涼に下心が無いとは言い切れず、組み敷かれた無花果はぎゃあぎゃあ騒ぐ。
(うっわぁ・・・・・・)
軍服の繋ぎの上半身を脱がせ、身体を見た涼が絶句する。
『・・・・・・重い』
不機嫌顕な無花果を無視し、身体を捜索する。
『この傷って、だれにやられたの?』
『・・・じんざ。』
無知で何も知らない様なまっさら――だけど何処か影を背負った瞳が涼を見上げる。
『じんざ、って軍の?』
『あぁ。昨日逃げてきた』
―――肩は鋭い者で抉られた様な痕で、至る所に痣がある。
『何コレ』
首に掛かったシルバーを手に取る。
『空羽、羽牙祢・・・お前の名前?』
『らしい。』