+Black Blood.
(チッ・・・・・・下手に出たら捕まるぞ・・・ッ馬鹿な奴・・)


すぐさま接客を他のスタッフに任せ、涼は探し回った。


(どこ行った・・・・)


そこに、ある地区の大きめな喧嘩があったと聞き、涼は遠くないその地区へ向かった。



『・・・・・チクショウあの野郎!!』



其処には、血だらけの住民達と怒り狂った若者。

どうやら、トラブルに巻き込まれ手を出してしまったようだ。



『その男、ってのが逃げた方角分かる?』


怒り狂っていた住民が口を揃えて言った。


『野郎は今あっちに進んでった!警察呼んで、今追っかけて貰ってる所だ!』


話を聞き終えて、直ぐにその方角へ向かう。


『居たぞ!!あそこだ!!』
『奴は怪我している!血を辿れ!!』


大して足が速くない警察たちを追い抜き、その点々とした赤の匂いを探った。



〝あぁ、涼?涼は、軍内で一番の荒くれ物かなぁ・・、まるで犬みたいな・・・そう、鼻が利くんだよ。通り名は勿論、警察犬の涼〟



鼻を突く血臭は雨で見えなくなっても分かる。


(そんな通り名要らなかったけど今はこの才能に感謝)




途中で力尽きたのか、路地に曲がる匂い。



『っ・・ハァ、ハァ・・・・・』



居た。見つけた。

散々良い様に弄ばれた、哀れな狗が。



鼻を塞ぎたくなる血臭は彼女からだった。



『大丈夫?』

『!!!!!!!!!』



弱弱しく、息をする獣。








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