+Black Blood.
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「9号、おはよう 」
昨日見たあの取調べの男だ、と無花果は思った。
「オッサン、牢にまで来ないでくれよ」
奥の壁に凭れ掛かっている零が嘆く。
「ゼロ君、調子どうだ?死刑にならなくて良かったな」
「黙れ」
カチャカチャ、ギ・・・。
取調べの刑事が中に入ってくる。
それと同時に、無花果は後ずさった。
「オッサン、豪い無花果に嫌われてんな」
「いちじくぅ?そう言う名前なのか?」
「あぁ、俺が付けた」
「何だ、零が付けたのか」
静かに刑事を睨む無花果。
「そう言えば、無花果って何やって此処に来たんだ?」
「うるさい。お前には関係ねぇ」
「ああそうか。オッサン、こいつ何やったんだ?」
「そりゃあ、殺しだよ。
ま、詳しい事はハッキリ分からないもんだからイチジクに訊くよ」