+Black Blood.
「だとさ、無花果。」



「俺は、何も知らない。


自分の名前も、歳も、生まれた所も、親も」



「・・・・・・・・零くんよぉ、無花果昨日からこれの一点張りなんだよ。どうにかしてくれよ本当。

本部の証拠としてハガネっつー殺人犯と顔が一緒なんだけどよ、無花果は自分の名前知らないし実際に人殺ってるし」



「まぁ、今の時代には普通の身の程じゃねぇの?」



「確かに、街へ行けばこんな連中ゴロゴロいるもんなぁ。


あ、街で思い出した。」




後ずさる無花果の腕に付いている鎖を掴んで引っ張った刑事。



「コイツよ、何処の街かは忘れたけど。



街の住民皆殺しにしたんだよ」





「・・・・・・・へぇ」





じゃり、と鎖が音を立てる。




「分かってる情報はそれだけ。
ホラ来い!またゆっくり訊いてや・・・・」



「立島刑事!ちょっと凄い事になってますよ、早く来てください!」



外から、他の刑事の声が聞こえる。



「・・・・・・・・・まあ、また今度で。」



チャリン、と掴んでいた鎖を離す刑事。





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