+Black Blood.

「・・・・・・・はっ・・・、今日玄関の絨毯を洗っていたような・・・あ・・・失礼します」


突然思い出したのか、時間を確認するなり部屋を出ようとする香織。


「もう7時半!大変、来客が来てしまいますわ・・・!」


焦った形相で、ドアは閉められた。



「・・・香織ちゃんの仕事って、大変。」

「俺もそのパン食いたいー」

「ちょっ!!自分の食べ・・・ぎゃああああ私のおお」

「俺のやっから」


明らかに嫌がらせ行為を無花果にし、奪ったパンを頬張る零。


「・・・・・・この包み紙開けにくかったのに・・・。」


袋の背中部分を真ん中で切ろうとするが、手に付いた油脂で滑るのか破れない。
それを無花果から取り上げ、零はパンを咥えたまま袋の頭から強引に破った。



「ん。」

「本当はそれが私のパンなのに」

「文句ある?ほら」

「強引だな・・・・」


パンを受け取ると、それを口に運ぶ無花果。





(あと4日・・・・・・)



日に日に迫ってくる期間に無花果は気付かないフリをしていた。








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