+Black Blood.
「零は、いつもそうやって何も話さない。だから、分からない。・・・・・・・私のせいで、零の人生が、」
最後まで言い終わらない内にまた、唇が重なる。
「言って欲しいの?俺の経緯。」
「・・・・・・・・、うん。」
そう言えばこの間仁叉に武器を全部取られたっけ、と今更に思い出す。
武器が無いとなにかと心配だ。
「俺はまぁ、その後そーゆー仕事に就いた。終わり。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・簡潔」
「・・・裏社会、って言った方が良かった?」
「でも表社会なんて無いじゃん」
「難しい事考えるなぁ・・・・。俺が人殺す仕事に就いてたのは知ってるだろ?それ以外無ぇよ」
「でも、そうしたら零は何で死刑にならなかったの?」
「ソコ聞く?」
上体を起こし、無花果を乗せる。
「一桁ナンバーの輩は、全員凶悪犯だ。勿論ほとんどは死刑のはず。何で死刑じゃねぇかって?
みんな証拠を出してねぇからだよ」
証拠を出していない。
「・・・・何、ソレ」
「俺は大量の人殺って法にかけられたら勿論死刑だな。だけどな、始末屋は証拠はぜってー出さないんだ。指紋も、靴跡も。隠密に、依頼を実行する。まぁ少しミスって捕まったんだけど」
「隠密・・・・・・・」
「ロクは強盗。ナナオは誘拐。二人共殺しはしたが証拠を出してない。そう言うプロなんだ」
「零も・・・・・・」
「俺の仕事は、そう言うのだったから。勿論ヘマしてない限り死刑にはならねぇ。分かった?」
「・・・・・まぁ、」
少し眉を寄せ、頷く無花果。