+Black Blood.
「何か不満そうだけど」
「零からは絶対話してくれないもん。全部私から聞いたりとか、自分の事を話さない」
(えー・・・・名残りなんだけど、そう言うの)
少し怪訝そうな顔をした零がどう言う返答をしていいのか迷う。
それを見て、また無花果が不機嫌になった。
「・・・・・・・きらい」
「は?」
「零、嫌い」
「え、そうなる?無花果さんどしたんだ?寝惚けてんの?」
みるみるうちに顔に皺が寄る無花果を見て慌てる零。
「零のこと何も知らない。だって、そうじゃん。食べ物だって出されれば全て普通に食べるし、何も文句も言わないし、零の好き嫌いとか分かんない」
(・・・・・・・何だ、今日のコイツ)
「・・・・・・・・・・知りたいのに・・・・・」
零から下りて、2人で包まっていた毛布を剥ぎ取って、包まる。
「・・・・・・い、ちじく?」
すっかり目が覚めた零がその丸い物体を突いて見る。
「・・・・・・・・やめて」
脇腹だったのか、身を捩じらせて零から離れようとする。と、ベッドから落ちそうになったのでそれを支えた。
「・・・・・無花果が分かんねぇ・・・。急に飛び起きたと思ったら、俺の事を知りだがるし、急に不機嫌になるし。」
「・・・・・・」
「そんなに知りてぇの?全てを」
「・・・私は、零を知らなすぎて、それが嫌なだけ・・・」
それ俺悪く無いじゃん、と苦笑する。
「束縛彼女も悪くねぇな」
「なに?」
べり、と毛布を引き剥がす。