+Black Blood.

「何か不満そうだけど」

「零からは絶対話してくれないもん。全部私から聞いたりとか、自分の事を話さない」



(えー・・・・名残りなんだけど、そう言うの)


少し怪訝そうな顔をした零がどう言う返答をしていいのか迷う。
それを見て、また無花果が不機嫌になった。


「・・・・・・・きらい」

「は?」

「零、嫌い」

「え、そうなる?無花果さんどしたんだ?寝惚けてんの?」



みるみるうちに顔に皺が寄る無花果を見て慌てる零。


「零のこと何も知らない。だって、そうじゃん。食べ物だって出されれば全て普通に食べるし、何も文句も言わないし、零の好き嫌いとか分かんない」


(・・・・・・・何だ、今日のコイツ)





「・・・・・・・・・・知りたいのに・・・・・」



零から下りて、2人で包まっていた毛布を剥ぎ取って、包まる。



「・・・・・・い、ちじく?」


すっかり目が覚めた零がその丸い物体を突いて見る。


「・・・・・・・・やめて」



脇腹だったのか、身を捩じらせて零から離れようとする。と、ベッドから落ちそうになったのでそれを支えた。



「・・・・・無花果が分かんねぇ・・・。急に飛び起きたと思ったら、俺の事を知りだがるし、急に不機嫌になるし。」

「・・・・・・」

「そんなに知りてぇの?全てを」

「・・・私は、零を知らなすぎて、それが嫌なだけ・・・」


それ俺悪く無いじゃん、と苦笑する。


「束縛彼女も悪くねぇな」


「なに?」



べり、と毛布を引き剥がす。










< 222 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop