+Black Blood.

不意をつかれて油断していた彼女にキスをする。


べろ、と唇を舐め、顎を掴む。



「ぜ、・・・・・・・・・」


親指をぐいと口に捻じ込み、無理に開けたら舌を侵入させる。

無花果が一際大きく反応した。



キス、キス、キス。


まるで食べるかのように、唇を押し付ける。



「・・・・・・・・・・ふ、」


酸素を取り込む為に口を開けるにしても十分に酸素が取り込めない。


無花果は腰に跨っている零の背中を引っ掻いた。





「・・・・・・・・いて」

「・・・・・・い、きなり何すッ・・・・・・」


唇の端を舐められる。

わざと、この前殴られた時の傷跡を抉るように。


「・・・・・・・・・ッ?!」

「こんな傷つけて。女の子は顔に傷を作んな」


沁みた傷を抑えようとした手が掴まれた。




「ぜ、ろ・・・・」

「今は、レツって呼べ」


掴んだ手に口付ける。



「れ・・・・・・・つ?」

「俺の、なまえ。ゼロ、は収容所の時の名前だから」


今度は唇にキスをする。

固く結ばれた唇の表面を舌でなぞって、首を舐めた。



「ひっ・・・・・・!!」


何とも言えない表情で零を見上げる無花果。




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