+Black Blood.
「私は男だった。そう教えられてた。だけど、ソレを痛みで教えられるんじゃなくて、心で教えてくれた零がすき。
大好き。
・・・私がもっと女の子らしかったらもっと愛してくれるの・・・?」
勝手に行かないでよ、ばか。
そう言って無花果は零の腰に抱き付いた。
「・・そんなんじゃねぇよ。俺は昔の無花果でも、今の無花果でも、愛してる。けど、俺はここの会社を継ぐ。それは変えられねぇ。」
「律の方が大事なんでしょ・・・」
「ばっか、律じゃねえよ。俺は、お前が女で生きられなかった分、取り戻す勢いで女にしたい。ずっとお前髪短いし、服はシンプルで洒落もできねぇし。こう言う時代だから仕方ねぇけど、やっぱりお前には世界で一番可愛い女になってほしい。」
「・・・・・ソレって、やっぱり美容関連の血を引いてるよね零・・・。何となく気付いたんだけど、この部屋って零がデザインしたものでしょ」
苦笑する無花果が部屋を見渡した。
「全部黒で統一させれてて、けど雑じゃない。全てに手がかけられてる。・・・零が考えた部屋だ」
「・・・まぁ、そうだけど・・・。」
未だ抱きついたままの無花果の髪を触る。
「無花果を俺の手で可愛くしたい。だから、俺はもっと世界を知る。・・・少し、お前と離れなきゃいけねえけど。」
「・・・・可愛くなんてなりたくない・・・私は、ぜろが居れば・・・」
ジ・・・・・・
背中のファスナーが下ろされる。
「っ・・・・・・」
「最後の、悪足掻きさせて。
・・・・・・・お前を抱きたい」
剥き出しになった背中を撫で、服を滑り落とされた。
上下が繋がっているその服は、無花果の抵抗虚しく簡単に脱げた。