+Black Blood.

「やっ・・・・・・・・」

「動くな・・・まだ見ててぇ」


膝で立っている無花果の腕を掴んで、そのまま体を見上げる。



「零・・・・・・、恥ずかしい」



未だ体には薄い傷跡が残っていた。痛々しいのもあれば、治り掛けの傷もあった。



「無花果の、全部を頂戴」


「っ・・・・・・・」



どういう意味なのかが分かる。



知ってしまった無花果は、顔を歪めた。



「・・・・・乱暴にはしない・・・。多分。」



黒いベッドに体が落とされる。



「・・・わたし、烈、の全部が知りたい」


声が震えながらも手を伸ばし、零のネクタイを解いた。



ぎしり、。

妖しく鳴ったスプリングに反応し、無花果が怯む。



「・・・・・好きだ」


それを庇う様に無花果の耳元で囁いた。



――はらりと黒いネクタイが無花果の体に落ちる。





(思い出すのはあの日、)





「全部、全部あげる」



わたしの命、体、心。





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