+Black Blood.
ぐいと右脚を持ち上げて、体の横側のベッドの面に押し付ける。
生理的に浮いた脚を自分の肩に乗せた。
露になる無花果の官能に劣情をそそる。
(蹂躙して、滅茶苦茶に苦しむ顔を見てみたい。凌辱して、泣く姿を刻みたい)
零は、凶悪だ、と自嘲した。
「ッ、ぁ、・・・・・・・・・・っ!」
(・・・・甘受するしかない、)
「・・・・・・・・・・、・・!!」
「いちじく、可愛い」
今このタイミングで、と無花果が苦笑しながら零を見上げた。
「ふっ・・・・・、あ・・・・」
(こうやって零に触れれるのも、あと・・・)
「ぅ・・・・・・・あ、あ・・・・・」
赤くなった頬が引き攣り、渦に飲み込まれないようにシーツを掴んだ。
(・・・上か下かわかんない・・・体が可笑しい)
「あ・・・・・・・、ぜ、ろ・・・・」
シーツを握っていた手から力が抜ける。
「いちじく、」
(空羽、とは呼びたくねぇ)
「ぜろ・・・・・」
はぁ、と吐息がかかる。
(俺がつけた、名前)