+Black Blood.
自然と零から逃げるように、無花果が体を捻らせる。
「ぅ、あ、・・・・・・・・・」
零は、無花果を抱き締めた。
「いちじく・・・・・・・・」
その目には、微かに零が映るだけ。
必死だ。
「だいすき、零・・・・・・・・」
零の緩んだ首元に指を入れ、ボタンを外し、シャツを脱がせた。
露になった素肌に、浅く爪を立てた。
腕が回らず脇腹を引っ掻かれる。
「っ、」
ぎしり。
2人分の体重を乗せたベッドが鳴いた。
「・・・・ごめん、」
「ッ、うあっ・・・・・・・・」
自己満足の謝罪を吐いて、零は無花果の腰を掴んだ。
耐えられない、と言う様に無花果は必死に零にしがみ付く。
「はぁっ・・・あ、う・・・・・・・はぁ、」
「・・・・辛い?」
「し、ぬ・・・・・・・・」
繋がったままで、零が失笑した。
「・・・・・幸せ、」
「え?」
「今、幸、せ・・・・・・」
途切れ途切れに言葉を繋げると、零の秀麗な顔は歪んだ。