+Black Blood.
Strawberry.
15
□ □ □
コンコン。
狂うように混ざり合っていたその朝は、一つのノック音で一気に褪めた。
「空ぁ」
「ッ、お前!!!」
確認せず無粋に入ってくる男は紛れも無く、零の敵。
「何でここに居んだ!!!」
「・・・・・・・・・空羽を取りに。」
にこり、と笑った。
「空、羽・・・・・・・?」
「空ちゃん、行くよ」
零の腕で微動だにしない無花果は、微かに震えた。
「・・・・・・・・うん。」
「、いちじ・・・・・」
「零、ごめん」
濡れた唇を手の甲で拭い、懸命に口角を上げて見せる。
「何で、」
「・・・・・・・抹殺命令の話は聞いた?」
無花果の代わりに美麗な男――仁叉は口を開いた。
「空羽と引き換えに、天馬烈、君は俺が心して護るよ。」