+Black Blood.
「正直、政府に押されてて俺も君を護りきるのは辛い所だけど、空羽をくれるんだったら頑張っても良いよ、って空に話したら承諾してくれたよ」
「いちじく・・・・・・・」
眉を寄せ、思い切り不快な顔をする零。
「ごめんなさい、零・・・・・・・・」
言う割には表情はすっきりしている。
「もう婚約しちゃう訳だし」
「ハッ?!婚約?お前ら、」
仁叉の口元が緩む。
あからさまな嫌味ではなく、純粋に顔が緩んだのだ。
「でも、間違ってないでしょ?空羽を男の子として育てた俺にも責任はあるし、なんて言ったって俺の隣より安全な所は無いよ」
「・・・・・・手前ぇに聞いてねぇ。無花果、お前はずっと黙ってたのか?」
ベッドから腰を上げ、無花果にゆっくりと近付く。
ビクリと怯える無花果。
「・・・、ごめんなさい・・・・・・・。絶対に零は反対すると思ったし、私はこれでいいと思ってるから、・・・・・・」
懸命に、笑って見せた。
「・・・・・・・・・・・馬っ鹿・・・・・・俺の気持ちはどうなんだよ、」
引き攣った頬を思い切り抓り、引っ張る。
「いひゃい、」
「お前に守られる俺の気持ちはどうなんだよ、」
どんどん表情が曇る。
「・・・・馬鹿」