+Black Blood.

(寝てる・・・・。)


どんな寝相だろう、と思いながら仁叉に視線を戻す。



「え、仁叉?」



手に違和感を覚え後ろを向いた。



「前言撤回。やっぱり拘束しちゃう。」

「え、な・・・・イヤイヤ、ちょっ!」


見れば、手首をまとめて縄を何重に巻いている仁叉。

固く縛るとキングベッドの足部分に巻き付けた。



「・・・・・は?何で?」

「あ、別に襲おうとか物騒な事は考えてないよ?ただ、体が鈍って来てるよね、空羽」



すくりと立ち上がり、無花果を見下ろす。


「・・・あんな生っちょろいミッションなんてずっとやってたらそりゃあ体も鈍くなるもんね」


「生っちょろい・・・・・・」


「最近も物騒だから、護身用に特訓するよ」


「コレで?」



縛られた手首を見遣る。
特訓なんて、出来るはずがない。


「空羽を攻めで行かせるのはもう無理があるかなーって。だから護りで行こう。」

「・・・、攻撃をしないってこと?」



ぽん、と頭の上に手を置く。
そしてにやりと妖しく笑い、見下ろして言った。



「そこから、逃げてみて。」





秀麗な顔を美しく細め、無花果を十分に見れるよう椅子に座る。



「は、え・・・・縛られて、」

「そこから抜け出してよ」



早く余興を見せて、。



その言葉に無花果は顔を歪ませた。



(サディスティックめ・・・・)










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