+Black Blood.
(隣人は寝た・・・・。とりあえず、あの部屋からは出れた。でも体が動かないとなった・・・どうしよう、私はそこにあるソファにでも寝ようかな・・・・・寝相が悪そうだし)
ぎしり、と隣人を起こさない様にベッドから下り、近くにあった小さめのソファに寝転がる。
部屋を物色すると、必要最低限の家具しかなく、生活感がまるで無い。どうやら、寝に帰るだけの部屋のようだった。
(妖しいマンション・・・妖しい住人・・・・仁叉の言ってた通りだ)
膝を抱えて、男の大きなイビキを聞きながら無花果も睡眠についた。
―――道路に屍、道端に屍。
外がもう赤に染まっている事を無花果はまだ知らない。
そして、男が自分を狙っている、と言うことも。