+Black Blood.

チラ、と無花果は隣の兄を見た。



(全身から出血してる・・・・・。酷い、今貧血なのか)



荒々しく息をしている所を見ると苦しそうだった。




「今、幾つ?兄貴の方なら分かるだろ?」


「・・・・・・・・・俺とコイツはいつも一緒だった。そんな物忘れちまったよ」




さらりと平然と答える兄に微かな腹立ちを感じたのか、刑事の口調が早くなる。



「お前なんだろ?



1-4地区全体を潰したのは!

其処に住んでた住民も全て消したのは!!!



知らない、分からない、そんな事で通用すると思うなよ!?


此処はあの中央収容所だぞ!!」




「・・・・・・・・・・・・」



ガシッ、と刑事が無花果の短い髪を掴んだ。


呆気無く、体が持ち上がる。




「空っ!」

「大丈夫・・・・」



それと同時に、兄も立ち上がった。



「何だ?二人とも熱い兄弟愛だなぁ、


ただの咎人なのにな  」




バシ、と髪を離して椅子に突きつける刑事。


そして、机に置いてあった書類を手で叩く。




「目撃者も居る。画像もある。鑑定もしたし、証言も一致した。


どこがお前らじゃないと言い切れるんだ?」


< 27 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop