+Black Blood.
チラ、と無花果は隣の兄を見た。
(全身から出血してる・・・・・。酷い、今貧血なのか)
荒々しく息をしている所を見ると苦しそうだった。
「今、幾つ?兄貴の方なら分かるだろ?」
「・・・・・・・・・俺とコイツはいつも一緒だった。そんな物忘れちまったよ」
さらりと平然と答える兄に微かな腹立ちを感じたのか、刑事の口調が早くなる。
「お前なんだろ?
1-4地区全体を潰したのは!
其処に住んでた住民も全て消したのは!!!
知らない、分からない、そんな事で通用すると思うなよ!?
此処はあの中央収容所だぞ!!」
「・・・・・・・・・・・・」
ガシッ、と刑事が無花果の短い髪を掴んだ。
呆気無く、体が持ち上がる。
「空っ!」
「大丈夫・・・・」
それと同時に、兄も立ち上がった。
「何だ?二人とも熱い兄弟愛だなぁ、
ただの咎人なのにな 」
バシ、と髪を離して椅子に突きつける刑事。
そして、机に置いてあった書類を手で叩く。
「目撃者も居る。画像もある。鑑定もしたし、証言も一致した。
どこがお前らじゃないと言い切れるんだ?」