+Black Blood.
「大体、殺してないから良いじゃない。」
「初対面のあんたに言われても証拠が無い。それにもともと抹殺命令が出てた人間を生かしていくなんて有り得ないし、妖しい」
「お前まだ私の事信じてないの?!DNAとってやろうかアホ娘」
「娘と言うかただデキただけでしょ。それに私は仁叉に育てられてたし、・・・・・・・・・仁叉の行方も知ってそう」
「仁叉は知らない。お前が今居るのも私のおかげなんだよ!感謝しな」
ぐ、と羽牙祢の肩を借り立ち上がる。
「私が来たのは零の為。貴女に会う為でもない」
下手に動いて痛みが走った体を無視してドアに行こうとした。
「・・・・・どちらにせよ、今の所はあの男の無罪は認められないから。政府館の地下に閉じ込めたわ」
「・・・・・捕まえて、殺すの?」
「まだ未定。それを決める為にお前を呼んだの」
ぴたり、と足が止まった。
「空羽、羽牙祢、ここで働きなさい」
二人の同じ顔が見詰め合う。
「政府の狗になって忠誠を誓いなさい」
ばし、と机に叩きだされた書類。
顔を上げれば不敵の笑みの菖蒲。