+Black Blood.
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ジャラッ・・・!!



「っ 」


鎖を引っ張られた無花果は、荒々しく牢屋に叩き付けられた。



「お帰り無花果。皮肉な名前だねぇ」


金髪の刑事がまた変わらないように鍵を閉める。




「・・・・・・・・・・・・に・・さんは、」


「8号の事?正面の牢に容れたよ」



重い顔を上げて、前を見た無花果。




正面の牢屋で、金髪の刑事と同様鍵を取り付けている。


その牢の中に、黒髪の兄。



「・・・・・・は・・・・・・・・・・」


「健気だねえ。ってか兄弟愛?無花果も8号には懐いてんだ」


「・・・・・・・うるさい」



ぐ、と腕の力を使って無花果は起き上がった。

ずるずる体を引きずって壁に凭れ掛かる。




金髪が居なくなるのを確認した零。


「・・・・・何ソレ。拷問?」


「・・・・・・・・・・・・・」



元から青白かった顔は殴られて腫れ、全身痣だらけだった。



「根性あんな、お二人さん」



零も、壁に凭れ掛かりチラリとその身体を見る。




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