+Black Blood.


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「空、泣くな」



ぎっしりと書かれた紙を満足げに持って行った菖蒲を見届けた時、妹は崩れた。




「空羽、」




哀咽している彼女は顔を上げない。



(・・・・・しがみ付いたままで、号泣している妹を俺はどうすればいいんだ)



「・・・ちょ、頼むから泣き止めって」

「だって、だって兄さん、兄さん関係無いのに、ぐすっ、にいさ、」

「日本語喋れよお前。ってか酷い顔だな」



やっと顔を上げた彼女の顔はぐしゃぐしゃだ。


「・・・まぁでも、空羽が女の姿になって、いつの間にか零なんかにぞっこんだし、俺が居ない間に色々ありすぎて驚きっぱなしだな」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐずっ」


「ちょ、お前鼻水。」



(見た目は普通の女だが・・・・・ぶっきらぼうで雑な所は変わってねぇ・・・・・。)



「俺は本当、空羽が笑って生きてけるならそれでいいと思ってるし。あれ?ん?ちょ・・・・・・・・!!空!泣くなって!!」

「兄さんはお人好しだあああ」



再び顔を自分に埋める空羽を見て、苦笑する。


(このままだと俺シスコンじゃねーか)





取り合えず、妹が泣き止むのを待ち、その頭を撫でてやった。












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