+Black Blood.


「あーあぁ。軍事長が居ないとなると・・・・面倒ねぇ。アイツはあいつなりにいつも仕事だけは済ますタイプだったから。代わりに私達に仕事が舞い降りるのよ」

「大臣達は海外に出張兼避難してるし・・・・・・・・都合良いッスよねぇ~本当」



菖蒲は短くなった煙草を灰皿に押しつけ、立ち上がる。



「・・・零くんは死んでないでしょうね」

「ありゃあ死ぬ様子が無いですよ?寧ろ、咬み付いてきます」

「上等。娘を取ってくんだったらそれ位は根性無いとね」



彼、腹に穴開いてるんすよ?とは言い出さなかった龍。




「零くんの所に行って来るわ。羽牙祢たちをヨロシク」



ホールに靴音を響かせながら、地下道へと続く階段に向かって歩き出す菖蒲。






「先輩、銃は持って行った方が良いですよ。それと、死刑の事もちゃんと頭に入れといて下さいね」


「暴れだした?」





口元を浮かべ、分かりません、と言う様に首を傾げた龍は上の部屋へと上る。











小鳥も、虫も、動物も、自然も、人間すらも音を失っているかのように静かだ。



静寂に包まれた世界。
















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