+Black Blood.



□ □ □



「なぁ、空羽」

「来るな。」

「不機嫌?」

「当たり前でしょ」

「何で」

「だって私を騙した。」




空羽をまんま男にした様な兄貴から空羽を掻っ攫って来て、隣の部屋で只今口喧嘩中。




「騙した?何を」

「私を抱いたら零は無事って言ってたのに、」

「無事じゃん。生きてる訳だし。」

「私はまだ零を見てない。そんなの嘘かもしれないでしょ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




弱い牙を剥いて、眼光を震わせながら睨見上げる空羽を抱き上げた。



「おめーらしくねぇ。俺の事怖いんだろ」



馬鹿にした様な笑みを浮かべ、同じ目線になった空羽の耳に吐息をかける。


「ッ!!触るな!最低!!」

「そうそう。俺はそう言う強気なお前が好きなんだよ。そーら、」



古びた会議用の長机に腰を掛け、自分に空羽を座らせた。

勿論最近高まってきた空羽の乱暴さに苛まれた訳で。



「あの、空羽、痛い痛い。」

「降ろせぇええええええ」



体に回っている腕を容赦なく引っ掻きながら抵抗する。



「ったく!何もしねぇっての。」

「そう言って龍は私を抱いたよね」



不機嫌さが高まった彼女は更に強く腕を引っ掻く。






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