+Black Blood.




(菖蒲さん、龍ごめん。私聞いちゃった)



たまたま近くを通りかかった空羽は現在窓から飛び降りて外に居る。


あんなに大きな声で脱走と言っていたら嫌でも聞こえるに決まってる訳だ。




「ぜろ、」


荒地と化した公園の広場を裸足で走る。

途中人間の屍を踏んでしまったが、空羽はどうでもよくなっていた。



「零・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」








どこにいったの?











息が上がる中、何となく空羽の予想はついていた。





(私が零と同じ立場だったら)









もし私が零で、零が私だったら。


零に、苦汁を啜らせるくらいなら、





死んだ方がマシだと思う。









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