+Black Blood.

光が通らない深夜。


隣の牢屋からは人が歩く音がする。

鉄格子の向こうに何かの虫が這っている。

遠い窓からは、車の音。



自分からは、なんの音も無い。



心臓だけ、規則的に動き続けている。




身動きをとると、ズキンと痛む身体に顔をしかめた。




「・・・・・・・・・・・・・兄さん・・・・・・」




遠のく意識の中、青年は呟く。



思い出すように。




__________
________
_____

__

_



< 3 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop