+Black Blood.
18
零がどんどん冷たくなっていく。
よく見ると、彼は脇腹に肉が抉り出されたような傷があった。
そこからは足が滑るくらいに血が流れている。
「ぜ、ろ?」
ふ、と零の力が抜けたのが分かった。
ここは、1-4地区の古びた空き地。
そこに零が倒れていたのだ。
(死、・・・・・・・・・・・・・・・・)
ぞく、と背中を掻き回されたように寒気が走った。
今まで自分は沢山の死を目の当たりにしてきたのに、足が竦むなんて。
そ、と零の胸に耳を澄まして見る。
酷くゆっくりだが、心臓は動いていた。
その音に一先ず胸を撫で下ろし、辺りを見渡す。