+Black Blood.
「羽牙祢?!」
扉を閉め、足早に大きく設置されている窓の枠に足を掛けた。
「チッ・・・・鍵か」
外から施錠されているのか、開かない。
「羽牙祢!オイコラ待て!!」
「空羽含め今まで可愛がってくれてあんがとよ。そんなお前に心から感謝するぜ」
扉を開け、急いで入ってきた龍が窓に走る。
「羽牙祢!!!!」
バリィイイン・・・・
「シネ。」
掛けてた足を引かれる寸前に、羽牙祢は肩からガラスと共に地上へと落下した。
「お前ッ!!ここ3階・・・・・・・・・」
3階と言ってもそれなりの高さがある事に等しく、龍は美しい金髪を乱して目を見開き、ガラスごと落ちていった羽牙祢を見下ろす。
「俺達を何だと思ってんだ」
そう空中で叫ぶ羽牙祢は着地体勢に入って。
(嘘だろ、あんな怪我してんのに)
「最後にお前の間抜け面見れて良かったぜ」
羽牙祢は見事(多少転びそうになった)着地し、何事も無かったかのように物影へ消えていった。