+Black Blood.
「・・・・・涼!!!っは、」
「・・・・・・・・怖い、空羽こわ!!」
今日はオレンジ色の髪らしい、派手なシルバーアクセサリーを首に光らせた細身の男。
涼だった。
涼は涼で、零を背負いながら垂れてくる血に身を染めて、息を上げながら歩いている空羽に悲鳴を上げる。
「こわ!何で男がお前に背負われてんの?ってか引き摺ってるだけだけど」
「ちょ、っとあって・・・・・・・・・・はぁ、・・・・・」
涼をさらりと横目で見遣り、もう終ったと言う様に空羽はその横を通り過ぎる。
「・・・・・・っちょっと待てや!!」
「・・・・・・・はあ、・・・・・・え?何かあったの?」
遠くの方で見掛け、計算通りに待ち伏せしてればこちらに来た空羽にようやく会え、このまま逃がす訳には行かなかった。
「私、急いで・・・・・・・・・・」
そして、涼は肩に凭れている空羽よりはるかに大きいと思われる男を見遣った。
「コイツ、死んでんの?」
「ま、だ・・・・・・・・・・・・はぁっ、」
足を進めようとする空羽の細い腕を掴む。
「その男、俺が運ぶから」
「はっ?何言っ・・・・・・・」
ひょい、とぐったりとしている零を背中に上げ、おぶるように持ち上げた。
「・・・・・・・・な、んで」
急に体が軽くなった体に違和感を感じるのか、空羽が肩を竦める。
「何処に運ぶの?」
「天、馬・・・・・・・・の会社。」
「はぁ?美容室みてぇな会社の?」
「・・・・・・・・・・・う、ん」