+Black Blood.
何でそんな処に、と言う様な視線で空羽を見下ろす涼。
「ま、こうでもしねぇとお前話きかねぇだろ」
「だっ、て・・・・・・・・、急いでたし」
未だ息が上がったまま、空羽は涼を見上げた。
「何でコイツ死に掛けてんの」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
俯き、足先を見る空羽の様子から見て、何があったのかを言いたくないのは一目瞭然だった。
そんな空羽を見、涼は溜め息をつく。
「ま、いいや。俺が話したいのは仁叉、の話なんだけどさ、」
「じんざ??」
ぱぁ、と明かるくなった顔。
「コイツ下ろしてから言うな。」
「あ、うん。」
涼も空羽同然、薄手のシャツを血に染める。
(男抱く趣味はねーんだけどな・・・・)
少し歩き、遠くに高いビルが建つ市街地が見えて来ると、空羽は急かすように涼を見上げる。
「コレお前の男?」
「!!!!!!!!!!」
口元を浮かべ、ほんの冗談のはずだった涼の言葉は空羽を赤面させた。
「え、図星」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
意外な空羽の反応に目を丸くする涼。