+Black Blood.


何でそんな処に、と言う様な視線で空羽を見下ろす涼。



「ま、こうでもしねぇとお前話きかねぇだろ」

「だっ、て・・・・・・・・、急いでたし」



未だ息が上がったまま、空羽は涼を見上げた。



「何でコイツ死に掛けてんの」

「・・・・・・・・・・・・・・・」



俯き、足先を見る空羽の様子から見て、何があったのかを言いたくないのは一目瞭然だった。
そんな空羽を見、涼は溜め息をつく。





「ま、いいや。俺が話したいのは仁叉、の話なんだけどさ、」

「じんざ??」




ぱぁ、と明かるくなった顔。




「コイツ下ろしてから言うな。」

「あ、うん。」



涼も空羽同然、薄手のシャツを血に染める。


(男抱く趣味はねーんだけどな・・・・)



少し歩き、遠くに高いビルが建つ市街地が見えて来ると、空羽は急かすように涼を見上げる。




「コレお前の男?」

「!!!!!!!!!!」



口元を浮かべ、ほんの冗談のはずだった涼の言葉は空羽を赤面させた。



「え、図星」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」




意外な空羽の反応に目を丸くする涼。





< 307 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop