+Black Blood.








「・・・・・・・・私の、って特定はしてないけど・・・、」


(白々しい、中学生かコイツ)


そう涼は思いながら、まだ出血している零を一旦下ろした。



「、涼?」

「・・・・いけねぇ。コレ、目的地に着く前に死ぬぞ。脈が遅すぎ」


地面に力無く倒れている零の腹を見下ろす。



「空羽、その上着みたいなの頂戴」

「これ?」



涼に指を指され、上に羽織っていた今や血だらけのパーカを渡した。



「、っと」


それを腹に巻きつけ、きつく縛る。



「・・・・苦しいんじゃないの」

「意識ねぇからいんじゃね?こう見えても元軍人だし」


にか、と口元の横でピースを作って見せた。




「・・・・うん」



そのまま、意識が無い零を再び持ち上げ、歩を進める。










(やな、予感)





空羽ひとりは、何故か目的地に着くのを少し躊躇った。









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