+Black Blood.




そして、服と体が血色に染まっている二人を見て、溜め息をつく。



「無花果、その男と風呂入って来い。
あ、一緒じゃねーぞ。孕ませんなよ」


“無花果”と久々に呼ばれ、空羽の体が反応した。



「当たり前でしょ。俺がそんな事するように見える?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あれ?空羽?」

「本当に孕ますなよ!?」

「うるせえ!」




無言で部屋を出て行った空羽の後を追う涼。





「さ、てと・・・・・・・・・・後で無花果にしっかり聞くか・・・・」


び、と役に立たなくなった服を破り、香織が後から持って来てくれたタオルで血を拭く。




背後から、物静かに現れた香織にキスをして。



「零さまがこんなに酷い状態になったのは初めて見ましたわ・・・・」

「俺も。よっぽど弱ってた時に遣られたか、よっぽど強かった奴に遣られたか。」

「でもどちらかと言うと・・・・拷問のようですわ、この傷」



零の服を捨て、あっという間に血だらけになったタオルを取り替える。




「律様・・・・・・、零様このままじゃ、」

「香織、“様”はいらねぇ。」

「・・・・・・・・・・・、・・・・・・・・。」



顔を赤らめ視線を逸らしながら、無理ですオーラをぶつけた。



「・・・・・・・・・・ハァ・・・。


と言うか、お前が真っ先に無花果のところに行かないなんて珍しいな」



赤面していた香織が視線を戻す。




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