+Black Blood.
「鍵閉め忘れてた・・・・・」
迂闊だったと思い、再びシャワーに戻る。
(水、か)
少し逆上せてきた体を覚ますように、空羽は温度設定のボタンを“下”で連打した。
「っう、」
一瞬で冷たくなったシャワーは、空羽の体を刺す様に襲う。
そして、やっと透明になってきた足元の水がいきなり茶色に。
「あーーーーつめてーー」
「ッ?!」
と、突然腰に違和感。
肩に、顎。
「涼?!」
「いやーホントに水にしちゃうなんて可愛い子だぜ。でも冷たいから止めて。俺も死んじゃう」
腰に回った手は涼の物だと知り、空羽は顔を顰めた。
「一緒に入るの?」
「入れて。血だらけだと気持ち悪ぃから」
新たに涼分プラスされた為、水は茶色に染まる。
「・・・・・・・・まぁいいけど」
涼がタオルを余分に持ってきたことを知り、暴れるのを止めた。
温度を高くして、再びシャワーを浴びる。
「・・・・何で抱きついてるの?涼さん?聞いてる?」
「やらかい。」
「五月蝿い」
回された腕を見て、彼の腕が血塗れだと気付くと、シャワーの湯で擦る。