+Black Blood.
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「零、は」
「おまっ、びしょ濡れのままで来るなって」
服を着、髪が濡れたままで律達の前に登場した空羽は息を上げ、ベッドに近付く。
「・・・・・・・・・・・・・起きないの」
「仕方無いだろ。出血量が多かったんだ。そう簡単に目覚めねぇと思う」
「・・・・・・・・・・・・・・・そう、」
さらりと聞き流すと、空羽は寝ている零の傷を凝視する。
「無花果、分かってると思うけど。」
「・・・・・・・・・・目覚めないこともある、って事?」
「半々。頭に入れとけよ、って話。ここら辺に医者なんざいねぇし、一応応急処置はしただけ。あとはコイツの体力に限る」
眉を寄せ、巻かれた包帯を撫でる。
「死んでるみたい」
「何故ですか?」
黙っていた香織が空羽の横に座った。
「呼吸が浅くて、してるのかがわからない。顔色だって白いし・・・・・・・、雰囲気が無い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
さらりと動かない頬を撫でる。
相変わらず、横になっている零は動かない。
「空羽様、お疲れでしょうからお眠りに・・・」
「ううん、いいの。御免、急に押し掛けて・・・・・」
一旦香織に向き合い、頭を下げる。
顔を少しずらすと、ソファに座っている涼が視線を絡ませた。