+Black Blood.



_____________
___________

____
__





「零、は」

「おまっ、びしょ濡れのままで来るなって」



服を着、髪が濡れたままで律達の前に登場した空羽は息を上げ、ベッドに近付く。



「・・・・・・・・・・・・・起きないの」

「仕方無いだろ。出血量が多かったんだ。そう簡単に目覚めねぇと思う」

「・・・・・・・・・・・・・・・そう、」



さらりと聞き流すと、空羽は寝ている零の傷を凝視する。



「無花果、分かってると思うけど。」

「・・・・・・・・・・目覚めないこともある、って事?」

「半々。頭に入れとけよ、って話。ここら辺に医者なんざいねぇし、一応応急処置はしただけ。あとはコイツの体力に限る」


眉を寄せ、巻かれた包帯を撫でる。




「死んでるみたい」

「何故ですか?」


黙っていた香織が空羽の横に座った。


「呼吸が浅くて、してるのかがわからない。顔色だって白いし・・・・・・・、雰囲気が無い」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」



さらりと動かない頬を撫でる。

相変わらず、横になっている零は動かない。




「空羽様、お疲れでしょうからお眠りに・・・」

「ううん、いいの。御免、急に押し掛けて・・・・・」



一旦香織に向き合い、頭を下げる。
顔を少しずらすと、ソファに座っている涼が視線を絡ませた。



< 318 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop