+Black Blood.
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軽い昼食をとった空羽は、涼にも食べるように促し、再び零の入る部屋へ入った。
黒いベッドの横に置いてある、椅子に腰を掛ける。
(・・・・・・・、酷い傷・・・・・。こんなに零が遣られる訳が無い・・・・・・。何をされたんだろう・・・・・・)
シャツの隙間から覗く包帯に生々しい血痕が滲み出てるのを確認する。
(止血したのに・・・・・・・・・)
「ぜろ、」
零も、空羽同様痩せた様だった。
青白い顔にぴくりとも動かない手足に緊張が走る。
(こんなんで死ぬ奴じゃない、きっと)
「ぜろ・・・・・・・・・・・。」
(ねぇはやく、)
動かない傷だらけの手を取ると、驚くほど冷たかった。
(無花果って呼んでよ)
その手に頬擦りをし、空羽はそのベッドの端に顔を埋める。
衣類を掠る音と、ベッドが軋んだ音だけが部屋を響き、一層空羽の虚無感を仰いだ。