+Black Blood.


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「おう、律」

「無花果、話が違う。元気じゃねぇか」



急いで走ってきた律は息を整え、ベッドに腰を掛けている零を見た。




「零まだ寝ててよ。」

「零様血が・・・・・・・・・・・。」

「あ。本当だ」



包帯に滲み出した血を見て、零が大人しくなる。



「世話かけた」


口角を上げて、何事も無かったような笑みを見せた。


「世話かけたっててめえ・・・・・そんな体起こしてて大丈夫なのかよ、仮にも半分死んでた人間が」

「死んでたってお前、俺は死んでない。」

「死に掛けてた」



仕方なく、と言う様に零がベッドに横になる。その腹に巻かれている純白の筈の包帯は所々鮮血に染まっていて、空羽が引き止めた。



「・・・・・これ、抉られたの?それとも、切られた?」

「覚えてねぇ。多分、ぶち込まれる前」



ぎし、とベッドが沈む。それを合図にするように律と香織が部屋から出る。




「無花果」

「をっ!寝たかと思ってた」

「ずっと寝てたから眠くは無い。」

「・・・・・・3日もね」




ベッドの淵に座る空羽の髪を絡め取る。


「髪、伸びた」

「うん。手入れも何もしてないけど」

「あぁ、痛んでる」




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