+Black Blood.
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『しゃーちょ』
『・・・・・・・・・・・・・・』
突然、外泊をしていた零の前に現れた男。
『連れねぇなぁ。クールストイックー』
『・・・・・・・何、あんた』
丁度零は今だ慣れないハードな仕事にうんざりし、逃げ出すように裏市(不適切商品の溜まり場)に来た所だった。
そこに現れた、長身の方の零を余裕で超える無駄に大きい金髪男。
『社長ー、ねぇ無視?』
『社長じゃねぇ。普通の・・・・何かアレ。』
『アレって何。ってかこの戦争中に飄々としてんね』
ちらり、と狭い裏市の片隅に転がる屍を見遣る。その中には軍事服を着た兵隊のような人間も居たし、まだ小さな子供も居た。
確かに、こんな世の中で平然と生きているのも珍しいかもしれない。
『ねーえー』
気晴らしのつもりに来たが、かえって自分の機嫌を傾けたのが分かった。
派手ででかくて調子づいた口調の男のせいで。
『ねぇ、俺ねぇ、今可愛い女の子が居るんだ。』
その言葉に、顔を上げる。
引っ掛かった。
『・・・やっぱりそう言うことか。政府のニンゲン?』
『アタリー。世界最強?のコロシ屋さん』
『アホか。仕事でヘマして牢屋にぶち込まれた最強が居るか』