+Black Blood.




『ソラウって言う変わった女。』


ぴくりと顔が引き攣る。



『・・・俺は無花果っつー女を持った筈』

『こんな顔?』




ぺらり、と一枚の紙が零の鼻先に突き出される。




『何プレイ?』

『まぁ、無理矢理だったけど』




写真。


そこには、見知った女の。




『俺、こう言うのそそるー。なんて言うの?コイツの泣き声だけは格別って言うか』



丁度いい、人が居ない。と思いながら、零は隠し持っていた銃の引き金を引いた。


『っ、お・・・・・・・・、っぶねー・・・・』



銃声が轟き、男が退かなかったら体に貫通していたであろう弾が、崩壊しそうなビルの壁に減り込んでいた。




『無理矢理、なに?』


男が避けた事に少し腹を立てながら、再び引き金を引こうとする。




『おー・・・・気性荒いね。俺だって好きでこんな仕事やってんじゃねぇよ?上司がさー。怖くて。』

『上司?』

『あぁ。とびっきり美人の・・・・・・・



そうだな、空羽の母親と思えるほど似てる感じ』






カラン、とアルミのゴミが飛んでくる。









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