+Black Blood.
「今更お前から恥ずかしいの単語が出てくるとは思わなかったぜ」
「・・・・・・・・・・・・うるさい」
脱衣所に無花果を下ろし、近くにあったバスタオルで雑に水分を拭き取る。
(痛い。・・・・・雑すぎる)
「無花果」
「・・・・・・・・・ん」
「俺はお前が居るなら収容所に逆戻りしてもいいぜ?ロクも、ナナオも居るし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「刑事長が俺らに害を為すならソイツを消す。」
「・・・・・・・・・あぁ、うん。らしいね」
「仕事が忙しくなって、やって行けるほど俺は社会人間じゃねぇし」
濡れても少しうねった髪から雫が落ちた。
「お前が死にたいなら、俺も死ぬ。」
(こんな物騒な事をこの男は笑顔で言うんだ)
無花果と、零の素肌と素肌が密着し、融ける。
堅い体に腕を回せば、自分の体にも回ってきた。
仕方の無い事だったが、彼の体には傷跡が数箇所残った。
それも自分の為だと思うと少し顔が緩む。