+Black Blood.
20
「っ、」
熱い。
零の舌が、無花果の口内を荒らす。
(肌と肌がくっつく感触って、慣れない)
そんな事をぼんやりと考えていた無花果は、再び零の体に腕を回した。
髪がくっついて鬱陶しい。
「ぜ、ろ・・・・・・・・・・・・・・」
少し、零との距離が開く。
汗が乾いて、あんなに熱かった身体が一瞬で冷える。
(零が居る、零に触れてる。
・・・あぁ駄目だ。頭がまだ昔のままだ)
ずっと、会いたかった人。
今、居る。