+Black Blood.







「零、ぜろ、わたし・・・・・・今なら死んでも、全然いいかも・・・・・・」


「物騒だな」





体勢が限界になってきた無花果の体をベッドに押し付ける。







薄暗い部屋の、真っ黒なベッドに横たわる無花果の真白な肌が目に痛い。






「物騒だけど、俺も今なら死んでいい」






(ぐちゃぐちゃに混ざり合って、融けて、ひとつになって、絡まって、蹂躙される。それでも幸せなんだ)


無花果の目尻から溜まっていた涙が伝う。





「零、すき」

「知ってる。」






(人を沢山この手で殺して、それなのにこの手で無花果を愛でている)

(手に付いた血はもう取れない)

(醜い、けど)












< 351 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop