+Black Blood.



□ □ □



今日の武器屋はやけに騒がしい。



下で何やら物音がした。





「・・・・・涼、見て。空羽と零が何かやってるみたいだよ」




涼と呼ばれた男は、一度手に抱えていた女とマシンガンを下ろす。


そして、代わりに差し出された新聞を手に取った。



「・・・・・・“天馬財閥の子息が企業起こし・・・独特な発想でファッション界の常識を覆す。”・・・・・・これ、アイツらだろ」

「だね。やっぱあの子はアイツの隣が一番幸せなんだねぇ」

「ジジ臭いこと言うなよ。ってか、それ何。」

「これ?今造ってきた奴。音は少ないんだけどね、威力が凄いの。試しに撃って見る?」

「そうする」



椅子から立ち上がった涼に、女の細い腕が絡みついた。


「涼行っちゃうの?」

「後でな」


大して気にした様子は見せず、涼は女を放ってその場を去っていった。








射的場に入ると、涼は渡された銃を構える。



「ま、俺は銃あんま好きじゃないけど」

「造ってる奴がよく言うぜ」




バン、と音が響いた。


一般の銃よりも重低音が少ないシンプルな音だった。











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