+Black Blood.
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今日の武器屋はやけに騒がしい。
下で何やら物音がした。
「・・・・・涼、見て。空羽と零が何かやってるみたいだよ」
涼と呼ばれた男は、一度手に抱えていた女とマシンガンを下ろす。
そして、代わりに差し出された新聞を手に取った。
「・・・・・・“天馬財閥の子息が企業起こし・・・独特な発想でファッション界の常識を覆す。”・・・・・・これ、アイツらだろ」
「だね。やっぱあの子はアイツの隣が一番幸せなんだねぇ」
「ジジ臭いこと言うなよ。ってか、それ何。」
「これ?今造ってきた奴。音は少ないんだけどね、威力が凄いの。試しに撃って見る?」
「そうする」
椅子から立ち上がった涼に、女の細い腕が絡みついた。
「涼行っちゃうの?」
「後でな」
大して気にした様子は見せず、涼は女を放ってその場を去っていった。
射的場に入ると、涼は渡された銃を構える。
「ま、俺は銃あんま好きじゃないけど」
「造ってる奴がよく言うぜ」
バン、と音が響いた。
一般の銃よりも重低音が少ないシンプルな音だった。