+Black Blood.
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『本当、たったの3ヶ月で越されちまったな』
「だろ?お前一発芸な」
『マジか。ってか新聞の、』
「あぁ、アレ?傑作だろ」
肩で受話器を挟んだまま、がさりと零は新聞を開いた。
薄い紙に印刷された文字。
その内容は、零を満足させる内容だった。
「天馬財閥も大きく変わっただろ?」
『親父達が築いた全てを壊したけどな』
受話器越しに、律の笑う声がする。
「ま、いいだろ。こーゆーのも」
“世界進出、美容界のトップ天馬財閥が日本を起こす”
『ヨーロッパにも手出したなお前』
「律が遣れよ、営業。俺は分社で手一杯だ」
『・・・・・・・ったく。で、重要な金は?』
「ヨーロッパに一つ、アジアにもう一つ建てる予定。お前結構貯めてたんだろ」
『俺の貴重な時間を返せ』
まっさか新ブランドで儲けるとはなぁ。
律がうわ言のように呟いた。