+Black Blood.



□ □ □



『本当、たったの3ヶ月で越されちまったな』

「だろ?お前一発芸な」

『マジか。ってか新聞の、』

「あぁ、アレ?傑作だろ」





肩で受話器を挟んだまま、がさりと零は新聞を開いた。




薄い紙に印刷された文字。
その内容は、零を満足させる内容だった。




「天馬財閥も大きく変わっただろ?」

『親父達が築いた全てを壊したけどな』



受話器越しに、律の笑う声がする。






「ま、いいだろ。こーゆーのも」






“世界進出、美容界のトップ天馬財閥が日本を起こす”




『ヨーロッパにも手出したなお前』

「律が遣れよ、営業。俺は分社で手一杯だ」

『・・・・・・・ったく。で、重要な金は?』

「ヨーロッパに一つ、アジアにもう一つ建てる予定。お前結構貯めてたんだろ」

『俺の貴重な時間を返せ』




まっさか新ブランドで儲けるとはなぁ。



律がうわ言のように呟いた。






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