+Black Blood.
ポイ、とパンの包み紙を捨てた。




「ネックレス。」




ふと、零が目に入った物。



「ねっく・・・・?何だ?」


「お前が首に付けてるヤツ」


ぶかぶかの囚服の首元に光ったネックレスに目が行ったのだ。



「これは・・・・、兄さんも同じの持ってんだ」

「名前・・・・が彫ってる。

空・・・羽。

羽、牙、祢・・・なんて読むんだ?」


「・・・・・・・・確か、そらう、はがね。」


「お前の名前?」


「知らねぇ。名前なんてただの名称だし」



ポン、とジュースのゴミを床に置いた。



(空羽・・・・・・)



溜め息をついて、零は壁に凭れた。




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