+Black Blood.
エイトと視線を交わし、歩く速度を緩めた。
ふと、他の牢屋を見渡す。
(一桁ナンバーじゃない奴等は酷いな・・・)
生きる希望を捨てた、眼。
じ、っと虚ろにこちらを見上げている。
(こんなになりたくねぇ)
視線を上げると出口らしい扉の前にロイと立島刑事が立っていた。
「頑張って~」
「お前こそ女好きになれるように頑張れよ」
「零くんが居たらゲイでもいいや。」
「もう帰ってこれねぇかもしれねえのに?」
「あの戦場から帰ってきたゼロが言うか」
「さあ ?」
(零って一体どれ位収容所にいたのか・・・)
微かな疑問を抱いて、収容所の扉が開いた。
「・・・・・・・・・・・まぶし・・・」
(久し振りの外。)
相変わらず空は灰色だった。
だが、収容所の暗さとは差がありすぎで、眩しさに目を細めた。
「車に乗って」
天馬律が用意されている黒い車を指差す。
「・・・・・・・・・分かってる」
運転手がドアを開けている。
零に続いて無花果も乗り込んだ。